デイサービスを卒業した男性が、〇〇で大活躍??
1本の電話
とあるデイサービスのスタッフから、1本の電話がありました。
デイサービスを卒業されるこの方は、体の状態はよくなったけど、外の移動にはまだ不安があるため、基本的には自宅で過ごすことになりそうとのことでした。
せっかく体の状態がよくなったのに、デイサービスに行かなくなったら人とのつながりが減ってしまう…。
デイサービス卒業っていいことのように思っていたけど、どうなんだろう?
そんな思いを抱きつつ、ひとまずこの方に会いに行きました。
ご本人の思い
デイサービスを卒業したご本人(以下:清水さん)のご自宅へ行き、お話を伺いました。
病気になって歩けなくなって不安だったこと、家族に迷惑をかけていたこと、好きだったゴルフができなくなったこと。
そして、これからのことについて清水さんは、「これまでたくさんの人にお世話になったから、今度は自分が誰かの役に立ちたい。」「家族に迷惑をかけずに、自分にできることがあればやりたい。」という思いを話してくださいました。
自分で歩いて行けて、何か役割を持てること…。どうしたら、この思いをカタチにできるだろうか?
そこで頭に浮かんだのが、プロジェクト会員のとある事業所さんでした。
清水さんの思いと事業所のマッチング
清水さんがなんとか歩いて行けそうな距離にプロジェクト会員の事業所さんがありました。
『一般社団法人Will 福祉イノベーションラボ』さんです。
代表の首藤政俊さんに清水さんの相談をしたところ、「ここに来たらいいじゃん!やってもらいたいこと色々あるし。」と、即答でした。
その後、清水さんに連絡すると、ぜひ行ってみたい!とのことで、見学に伺うことになりました。
迎えた見学の日、清水さんと私は一緒に歩いて事業所へ向かいました。平地では1時間くらいは歩けていましたが、事業所へ行くにはアップダウンがあります。途中で休憩をしながらゆっくり歩いていき、45分ほどかけてなんとか到着しました。
首藤さんから、事業所のことやボランティアのお仕事内容の説明を受けると、清水さんは「リハビリにもなるし、頑張ってここに来たい!」とのこと。そして、さっそく見学の3日後からボランティア活動が始まりました。
清水さんは週2日からボランティアを開始し、現在は週3日活動をしています。
一時は誰かの手を借りないと生活が難しい状態だった清水さんですが、今は認知症の方の作業のサポートをしたり、他の利用者さんとお話をしたり、スタッフさんのように活躍されています。
誰もが活躍できる社会へ
どれだけ体が元気になっても、『活動する場』がなければ、清水さんの「誰かの役に立ちたい」という思いを叶えられなかったかもしれません。
今回、『活動する場』になった福祉イノベーションラボさんは『障がいのある方が働く場』ですが、そこには若年性認知症の方や、清水さんのように「誰かの役に立ちたい」という方が活動しています。
なぜ、福祉イノベーションラボさんは、本来の利用対象ではない方を受け入れているのでしょうか?
首藤さんに聞いてみました。
首藤さんは、本来の利用者ではない方を受け入れていく中で、その方の変化を感じ、『誰もが活躍できる場所』の大切さを体感されているようです。
高齢、障がいの垣根を超えて、「その人がやりたいことは何なのか?」「活躍できる場所はどこなのか?」をみんなで考え、一緒に作っていくのがとよた多世代参加支援プロジェクトです。
今回は、「デイサービスを卒業した男性」が「障がい福祉サービス事業所」でボランティアとして大活躍しているというお話でした。
さらなる目標へ
清水さんは会社員時代に、仲間とゴルフ旅行に行くほどのゴルフ好きでした。一方で、首藤さんは最近ゴルフを始めて、教えてくれる人を探していました。『ゴルフ』という趣味でも奇跡のマッチングが起こりました(笑)
清水さんは、「まだゴルフをするには自信がないけど、年に1回、仲間とゴルフ旅行があるから行けるようになりたい!」という目標を掲げています。
清水さんと首藤さんのゴルフ練習が始まる日もそう遠くないのではないでしょうか。
清水さん:「一緒に働く皆さんからいっぱい元気をもらって、とても充実しています。こちらが感謝です。」
※お写真とお名前の掲載について、ご本人の許可を得ています。
一般社団法人Will 福祉イノベーションラボ
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