脱プラスチックを救う!?「もみ殻燻炭づくり」と「麦ストローチャレンジ」
社会参加を支援する団体(まめきちカフェ)や、市内の福祉事業所、障害者や高齢者などが協力し、持続可能な社会づくりに取り組んでいます。
段ボール箱を利用した生ゴミ処理容器の展開を試験的に進めるにあたり、容器の材料として、もみ殻燻炭の確保が課題となりました。もみ殻燻炭の作成は手間暇がかかることから、一般農家では敬遠されていたからです。この解決のため、障害者の活動として引き受け、作成することを進めました。作った燻炭は買い取られ、障害者の工賃になっています。
また、脱プラストロー実現のため、市内のバーテンダーや農家等と福祉関係者が連携し、「麦の栽培」を実施中。この活動では、種まき、麦ふみ、刈り取り、分別、皮むき、梱包などを通じ、新たな参加の機会が数多く創出されます。実際に、障害者や認知症高齢者がこの活動に参加し、麦を育てています。春には成長した麦の刈り取りを実施します。
障害のある方と法人、地域の方々で取り組む活動が、しあわせな地域づくりに
社会福祉法人無門福祉会では、すべての人が自由で対等に生き、平等に権利が守られる社会の実現、平たく言うと、「しあわせな地域づくり」という法人の理念のもと、障害のある利用者さんや、地域の方々と共に、休耕地を借りて作物を栽培するなど、農福連携の取組を進めています。
これらの利用者さんと休耕地を再生する活動は、地域課題の解決、つまり、しあわせな地域づくりに貢献しているということであり、地域共生社会の実現に寄与していると実感しています。
また、SDGsの理念でもある「誰一人取り残さない」にも通じると思います。
農福連携の取組を通じて感じること
まず、感じることは、利用者さんご自身の変化です。
農業には作業や工程が数多くありますが、その中から、利用者さんは何か得意なことや好きなことを見つけられると、楽しく活動することができるようになります。そして、利用者さんが「役割が見つかった」時の喜びを素直に表現している様子を見ると、好きなことを仕事にすることは、幸せづくりにつながるのだなと実感しています。
次に、こうした利用者さんの変化は、地域の変化にも影響していると思います。
利用者さんが楽しみながら「地域の困りごと」に取り組むことで、地域の方も少しずつ顔を見せてくれたり、共に活動をするようになりました。活動を始めた頃は、障害のある方が「地域につながる」取組だったものが、徐々に「地域をつなげる」取組に変化していったと感じています。
さらに、これらの変化によって、法人として活動の捉え方も変わりました。
今まで私たちは、利用者さんに何かを「教える」ことを目的とすることが多かったですが、これまで述べたような気づきを、反対に「教えてもらう」ことになりました。これからも「教える、教えられるフラットな関係」で、お互いを尊重しあう関係づくりが重要であると感じています。